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【「学力」の経済学】中室牧子(著)は、どの職種も読むべき!!

 

こんにちわ!KENG(ケングー)@Grimpeur_KENG】です!

 

 先日、ネット上である動画が投稿されているのを見ました。

その動画では、6歳の男の子が、母親に向かって「うるさいんだよ!だまれ!」などの暴言を吐き、「だまれ!てめぇ口の利き方気をつけろよ!」っと母親も子供に向かって怒鳴りつけているものでした。

動画の中で父親はその光景を笑って見ている状況で、動画を見終わるころには私はとても悲しい気分になってしまいました。

 

6歳の子供にこんな暴言を吐かせてしまうのは、母親と父親の日常の会話の中で、似たような暴言や言葉遣いが交わされているんじゃないかと想像してしまいます。

 

 親の子供に対する教育というものは、他人が茶々を入れるもんではないですが、どうしたもんかなっと思ってしまいました。

 

さて、こういった子供の人間性を育てる教育という観点から少し離れてしまいますが、同じ教育という枠組みの中で〈子供の学力に関する教育〉について書かれた本を読んだので紹介したいと思います。

 

中室牧子(著)【「学力」の経済学】です

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 Evidence Based Education

日本は数年前まで、 職人の長年の経験と勘に基づく技術は、「目で盗め!体で覚えろ!」といった風潮がありました。

しかし職人の経験や勘は、数値化されないため技術継承が難しく、後継者が生まれず徐々に衰退してしまう状況が問題とされていました。

 

そういった後継者への技術継承の際に、数値化された技術で、かつ科学的に根拠がある技術であれば、学ぶ側も非常にわかりやすく、継承する側も教えやすいですよね。

 

こういった事例が多いからか、医療の分野で論じられていた科学的根拠(Evidence)という言葉が、今では様々な分野で多様化され、かつ重要視される時代になってきました。

 

本書【「学力」の経済学】でも、多数の研究データから、論理的に子供の学力の教育について解説し、科学的根拠に基づく教育( Evidence Based Education)の重要性を説いています。 

 

「ゲームは子供に悪影響か?」「少人数学級には効果があるのか?」「ご褒美で釣ることはいけないのか?」など本書に出てくるテーマも興味深く、〈科学的根拠〉、〈ランダム化比較試験〉、〈セレクション・バイアス〉、〈有意差〉といった素人には難解な言葉も、非常にわかりやすく解説されています。

これが、我々読者にはインプットしやすく、幅広い年齢層に読まれている理由かもしれません。

 

教育の現場では褒めることがスタンダードに!でも叱ることも大事ですよね?

 後輩の指導の際に、褒めて伸ばすか、叱って伸ばすか、を悩んだ時期がありませんか?

 

以前働いていた病院での指導要綱では、誤った判断やリスクがある行動をしてしまってもすぐに叱らずに、まず何故その行動をとったのかを本人に確認します。

 

そして本人がどういったプロセス(思考回路)でそういった判断や行動をしたのかを明確にし、そのプロセスの改善すべき点を指導していくようにしていきます。

 
ここで叱ってしまうと、何をするにしても萎縮してしまい、また許可を得てから行動するようになるなど、主体性がなく育ってしまいます。

 

むやみやたらに叱ると職を辞めてしまう人も多いので、叱らずに褒めて伸ばすようにしましょう!という風潮も少なからずあるかもしれません。 

 

ですが、なるべく叱らないようにと思っても、そこはやはり人間なので、同じことを何度も何度も繰り返したりすると、怒りも沸点に達してしまいます。

 

ましてや、人に対して針を刺したり、歯を削ったりする「医療」を提供するサービスです。不利益を被ることはできないので、理由を明確にして叱ることは必要だと思ってます。 

 

ただ褒めるだけではダメ!「ほめ方」が重要!

心理学の研究では、「褒めることは子供の自尊心を高めることができ、自尊心が高くなれば学習意欲が高まり、実力に見合った進路を選択している傾向がある」こうゆうことが指摘されています。

 

しかし本書に登場するフロリダ州立大学のバウマイスター教授らは、過去の研究をまとめた丁寧なサーベイによって、「学力が高いという《原因》が、自尊心が高いという《結果》をもたらしている」と結論づけました。

つまり「自尊心が高まると、学力も高くなる」というこれまでの定説が覆されたのです。

 

ある研究では、自尊心を高めるような介入は、決して学力や成績を高めることはないことを示しているものもあります。ただほめるだけでは実力の伴わないナルシストに育つだけなんです。

 

そこで、また別の研究を本書では紹介しています。コロンビア大学のミューラー教授らが行った、ある公立小学校の生徒を対象にした「ほめ方」に関する実験です。

 

まず「あなたは頭が良いのね」と子供らのもともとの能力を褒めるグループと、「あなたはよく頑張ったわね」と努力を褒めるグループの2つにわけて、両方のグループにIQテスト(1回目)を受験させました。

その後、同じ子供らに、かなり難しめのIQテスト(2回目)を受けさせ、さらに最初に受けたのと同じ程度のIQテスト(3回目)を受けさせ、テストの結果の推移を調査したのです。

 

すると、もともとの能力を褒められた子供たちは、成績を落としてしまったのに対し、努力を褒められた子供らは成績を伸ばす結果となりました

 

詳しく調べてみると、もともとの能力を褒めたグループは、良い成績を取ると「自分には才能がある」と考え、悪い成績を取ると「自分は才能がない」と考える傾向がありました。

 

しかし、努力した内容を褒めたグループは、2回目、3回目のテストで粘り強く問題を解こうと挑戦を続けました。努力した内容を褒めたグループは、悪い成績をとっても、それは「努力が足りないせいだ」と考えたようです。

 

この実験から「もともとの能力(頭の良さ)を褒めると、意欲を失い、成績が低下する」ことがわかりました。

 

つまり具体的に達成した内容を挙げるなどの「ほめ方」を工夫することが重要だと言うことです。

 

「努力し続ける力」、「やり抜く力」はGRIT(グリッド)とも呼ばれ、この能力が高いと社会で成功する確率が高くなるとアンジェラ・ダックワース(著)『GRIT』でも紹介されています。これは才能とは別の能力であり、「ほめ方」次第でこの能力が伸びると本書では指摘しているのです

 

 まとめ

本書の内容を一部抜粋して紹介させて頂きました。上記のテーマを読んだだけでも、興味が湧きませんでしたか?

 

データを用いてより良い子供の教育を提唱する本書【「学力」の経済学】は、子供への教育だけでなく職場の従業員や他職種への指導に参考にできる事例もあり、大変重宝しています。

このように教育業界以外でも本書が活躍できる場が多いことが、Amazonランキング上位の理由なのかもしれません。

 

科学的根拠(Evidence)について考える場合、どんな時でもその研究が行われた対象がどのような環境の人種か、またどのような基準で選ばれたのかを把握することが重要になってきます。

適応しようと考えている対象が、研究結果と異なる場合、同じことを行っても同じ結果が生まれるとは限らないからです。

 

どんな時でも、科学的根拠(Evidence)があるからとすぐに鵜呑みをしてしまうのではなく、「実際に自分が行動してみて、結果がどうなったのか」を自分で考察することが仕事を上達するうえで大切であり、その点に関してこの【「学力」の経済学】を読んでまた気づくことができました。

 

明日からの仕事に活かせそうです。

 

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