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【埼玉】の《歯科医師》。趣味である〈喫茶店〉、〈カフェ〉、〈珈琲〉について情報を発信《☆YOLO☆》

第6の味覚【オレオガスタス(oleogustus)】で珈琲オイルの表現も変わる?

 

こんにちわ!KENG(ケングー)@Grimpeur_KENG】です!

  

フレンチプレスや、金属フィルターを使用して珈琲を抽出すると珈琲オイルが出てきますよね?

 

そういった珈琲オイルはそもそも味覚としては感じず、オイル(脂)そのものの食感(texture)や香り(aroma)によって、珈琲の風味(flavor)を形成しているとばかり思っていました。

 

しかし最近になって脂が味覚として成立する可能性が示唆された論文があると知りました。

 

仮に、私達が脂を味覚として感じているならば、今までの概念が覆されることになりますよね?

 

そこで今回、私が閲覧した論文をベースに、脂の味覚の可能性について紹介していきたいと思います。

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 味を感じる仕組み

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私達は、食材に含まれている味物質を、舌に存在する味蕾という受容体を介して味を感じています。

 

その味蕾は玉ねぎのような形をしていて、数十の味細胞によって構成されていてます。

 

そして後述する基本5味のうち、一種類の味を一つの味細胞が感知して、それを神経線維を通して脳に伝えて、我々は味を感じているのです。

 

この味蕾は、舌に約9000個ほどあるとされていていますが、加齢変化と共に徐々に減少していき、少しずつ味覚も劣ってしまうようです。

 

味の基本要素『基本5味』

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さてそれでは、私達は摂取した食材の中から、いったいどんな味をどれくらい感知しているのでしょうか。

 

現在まで、私達が感知できるのは『甘味・酸味・苦味・塩味・旨味』5つで、これらを総称して基本5味と呼びます。

 

ここでトウガラシなどの辛味はどうなの?と思われる方もいるかと思います。

 

トウガラシには「カプサイシン」という私達が辛いっ!と認識する物質が含まれていますが、この「カプサイシン」は味細胞を介さず、舌周囲に存在する自由神経終末の末端にある「カプサイシン受容体」を介して、「痛み」として認識されるため、基本味からは外れてしまうのです。

 

第6の味覚「オレオガスタス(oleogustus) 」の可能性

さて、その基本5味に加えて新たに第6の味覚として「脂味」の可能性を報告した論文を今回見つけました。

 

閲覧したのは、2015年にアメリカのパデュー大学・栄養学科の研究者たちが発表した論文です。 

academic.oup.com

 

この研究では、苦み物質のキニーネ、塩味の塩化ナトリウム、酸味のクエン酸、甘味のグルコースなどなど15種類のサンプルを用いて、それらサンプルと遊離脂肪酸を混合した溶液を作り、102名の参加者に対して知覚テストを実施しました。

 

溶液の臭いや食感に関しては、ほぼ同一になるように設定しましたが、多くの参加者が他の味と脂肪酸の有無を区別できたというのです。

 

また脂肪酸は炭素数の長さによって長鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・短鎖脂肪酸と3つにわけることができますが、その長さによっても味覚に与える影響が異なることがわかってきたのです。

 

著者らは、この脂を意味する「オレオ(Oleo)」と味覚を意味するラテン語の「ガスタス(Gustus)」を組み合わせ、新しい味覚「脂味」「オレオガスタス(oreogustus) 」と呼ぶことを提案しました。

  

実際、脂のおいしさを感じる仕組みについては、味蕾のCD36というタンパク質が関与していることを、2005年にフランスの欧州味覚科学センターのFabienne Laugerette氏らがマウスの動物実験を経て発表しています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1265871/?tool=pmcentrez

 

マウスの場合、脂を感じる受容体が多いため脂を味覚として感じることができるとされていて、仮に人にも脂を感じる受容体があると仮定した場合、その受容体の量はマウスよりも少ないため、脂を感じることはおそらくできないだろうと考えられていました。

 

しかし、今回の実験で人でも脂を味覚として感じる可能性が示唆されたのです。

 

この「オレオガスタス(oleogustus)」新しく第6の味覚と定義するためには、味蕾に「オレオガスタス(oleogustus)」に対応する受容体を見つけなければなりません

 

しかし、この論文では、人でも脂の味(厳密には脂肪酸)を感じることができる可能性を示唆しているだけで、まだ味蕾に脂を感じる受容体は見つかっていないようです。

  

まとめ

現状、エビデンス確立できていないため、珈琲オイルの食感や香りが、珈琲の風味を形成していることに変わりはないのですが、これで味蕾に脂(脂肪酸)に対しての受容体が見つかれば、基本5味に続く第6の味覚として大きな発見になりそうですね。

 

そうなったら、珈琲オイルも味として認識できるわけですから、より珈琲の可能性も広がることに繋がりますね。

 

そうなったら、珈琲ショップでは『この珈琲オイルは〇〇の香りと〇〇のような味がするので、ペーパーで淹れると〇〇の味で、プレスで淹れると〇〇の味に変化します』みたいな感じで珈琲の味を表現するようになるのかもしれませんね。

 

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