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はたして差し湯は悪者なのか?

 

こんにちわ!KENG(ケングー)@Grimpeur_KENG】です!

 

私は、普段松屋式で珈琲を抽出していて、焙煎度合いや豆の個性に応じて差し湯の量を調節しています。

 

すると「せっかく淹れた珈琲を薄めるなんて」っとボソっと呟かれることもしばしば。

 

そこで、今回は「はたして差し湯は悪者か?」と題して、差し湯の役割について考え、嗜好に応じて差し湯をしても問題ないことをわかって頂けたらと思います。

 

松屋式で差し湯をする理由

 松屋式では、予定した人数分の半量の珈琲液を抽出後、残り半量を差し湯することで濃度を調整します。

 

例えば、計150mlを作る場合、半量75mlの珈琲液を抽出したら、残り75mlを差し湯で濃度調整するといった形です。

 

これは、松屋式が4分間の蒸らし時間を確保することで、粉内部の炭酸ガスを湯気で完全に追い出し、第2投目の注湯で湯が粉内部に浸透する過程を非常にスムーズにすることで、粉粒子表面から湯に移行するスピードだけでなく、粉粒子内部の珈琲成分が湯に移行するスピードも速いためだと考えます。

 

つまり、美味しい珈琲成分が溶けだすのが早いということ。

 

すると、抽出後半に液体の濃度が低下するのも早いので、渋みやえぐみといった美味しさを半減させる成分の移行も速くなるということです。

(※渋みやえぐみなどの珈琲成分は、抽出後半、特に抽出液の濃度が低いほど湯に移行しやすくなってきます。)

 

そのため、差し湯をせずに150ml淹れ続けると、松屋式の場合、想像以上に渋みが強い珈琲になってしまう可能性が高いのです。

  

検証実験①

実際にマンデリンのフレンチロースト粉13g、粗挽きの珈琲粉を使用して、湯温85度で、まず75mlを抽出します。

 

その後、さらに50mlずつ続けて抽出して、50mlずつ抽出したものがどのような味わいがあるのかを確かめていくことにします。

 

この検証実験をする前に75mlを抽出後に25mlずつ抽出する実験を行いましたが、色味の変化や、味の変化がわかりずらかったので、今回は50mlずつ抽出することにしました。

 

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上の写真が75ml抽出後に50mlずつさらに抽出したもので、左上→右上→左下→右下の順に並べています。


徐々に色の濃さが薄くなっているのがわかると思います。

左上の抽出液は、まだ珈琲の色味を呈していますが、味は軽い苦味程度しか感じません。珈琲本来の豊かな風味はないに等しいです。

また最後の右下の抽出液は紅茶のような色味を呈していますが、味は舌が痺れるような渋みが少しあり、麦茶のパックを何日も水に浸しそれを湯で希釈したような味わいで、焦げた風味しか感じません。

 

右下の写真以降も50mlずつ抽出し続けましたが、やや色味が薄く変化するだけで、以降は希釈した麦茶の味わいしか感じられなかったので割愛しています。

 

検証実験②:飲み比べ

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今度は、実際に①普段の松屋式の珈琲と、②差し湯をせずに淹れ続けた珈琲の2つを飲み比べてみます。

 

先ほどに続いて、マンデリンのフレンチローストを13gそれぞれ使用していきます。

  

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計量した豆を粗挽きにしていきます。

 

今回、粒度をコントロールをするコントロールストッカーは、振った回数や程度によって、それぞれの粒度に差異が出る可能性があったので、挽いた豆をそのままドリッパーにいれて抽出することにしました。 

 

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 それぞれ85℃の湯で淹れていきます。

 

 

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 第1投目の湯を注ぎ、4分間の蒸らしを行います。

 

写真は第2投目の湯を注ぐ前の状態です。

 

計量カップには約40ml抽出されています。

 

 

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 今回は、最終的に150mlの抽出を行っていきます。

 

そのため、一方は75mlたまったら第2投目の抽出を終了し、もう一方は150mlたまるまで第2投目を淹れ続けます。

 

 

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 75ml抽出したほうには、残りの75mlを差し湯して、計150mlにしていきます。

 

 

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 これで150mlになりました。

 

 

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 左側が①普段通りの松屋式珈琲で、右側が②差し湯をせずに抽出し続けた珈琲です。

光にすかしたり、白い壁面で色味を観察してみましたが、色味に関しては特に大きな差異はないように思えます。


香りに関してですが、今回は深煎りの豆を使用したため、どちらもスモーキーな香りがしました。

しかし、差し湯をしていない右側のほうが少し香りが強い印象を受けます。



味わいに関してですが、左側の普通に淹れた松屋式は、しっかりとした苦味を感じますが、苦味の角が丸い印象です。

 

一方で左側の差し湯をせず抽出した珈琲は、強い苦みと、舌後方から喉にかけての痺れるような渋みを感じました。 

 

考察

検証の結果から考えると、やはり「もったいない」という気持ちから、差し湯をせず珈琲を淹れ続けると、私が理想とする美味しい珈琲に近づけることは難しくなる可能性があるように思えます。 

しかし、ここで一つ問題があります。

 

それは嗜好の問題です。

 

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実際、②差し湯をせず抽出し続けた珈琲は、苦みも渋みも強すぎて、とても飲めたもんじゃありませんでした。

 

しかし、冷蔵庫にあった生クリームを少しいれて飲んでみると、苦みの角が丸くなり、強く感じられた渋みも穏やかになり、さらに砂糖を加えることで、より飲みやすくなりました。

 

このように、差し湯をしなくても、ミルクやシュガーを加えることで、個人の嗜好にあった珈琲になりうる可能性があるのです。

  

別日に、私の両親にも協力してもらいました。

 

今回の実験と同じ①普段の松屋式150mlの珈琲と、②差し湯をせず抽出し続けた150mlの珈琲、2つをそれぞれ飲み比べてもらったのです。

 

両親からすると『は薄い珈琲だねぇー。のほうが濃度も濃いし苦みも強いから、いつも飲んでる珈琲に近いなぁー』とのことでした。

 

両親は、これ煮詰めのか?というような珈琲をコーヒーメーカーで淹れています。その珈琲にブラウンシュガーとクリープを入れたものをかれこれ10年以上飲み続けているので、両親の嗜好からしたらのほうが自分たちにしっくりくるようです。

 

まとめ

かの高尚な関口一郎先生の本を読むと「アクは悪か?」と述べている項目があります。

 

えぐみや渋みも珈琲の味を構成する一つの要素であり、美味しい成分を引き立てる役割があるかもしれないとおっしゃているのです。

 

実際に今回の実験で、えぐみや渋みが強い珈琲はそのままストレートで飲むと美味しくないと感じてしまいましたが、ミルクやシュガーなどの甘さやまろやかさの要素が加わることで、味に深みが増し、飲みやすい味わいになったのは実感できました。(自分の嗜好とは別として)

 

じゃあ「差し湯は悪者か?」というとそうではなく、あくまで各々の嗜好に応じて調整する分には、悪者でも何でもないと思うんです。

 

調子が悪い時は差し湯をして飲むもよし。いやいや、俺は渋いのが珈琲だと思っているからと言う人は、そのまま飲んでも良いと思います。

 

ただストレートで飲むんなら、やっぱり差し湯をして飲むほうがスッキリしていて美味しいと私は感じてしまいます。

 

結局、また落としどころが中途半端になってしまいました。(笑)


でも、珈琲は嗜好品なのですから、仕様がないですよね~。

 

そう言って逃げているだけなのかもしれません。(笑)

 

 

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